# by guestmovie | 2011-12-31 23:45
まず、パンチャータイプになっている事は間違いないようですから、パンチャー特有の力の出し方は伝わっているのでしょう。「どこが始動ポジションか」と言う事と「パンチャー特有の力の出し方と、スインガー特有の力の出し方の違い」が理解出来れば、ひとまずパンチャータイプで投げる事が出来ます。その事はペドロそっくりな加速期の写真に現れています。
まずは以下の手順に則って基本を教えてください。
1)軽く前脚を挙げて後ろ脚に体重を乗せる。手はあらかじめトップの位置(パンチを打つ時の構え)に置き、そこから直接ボールを投げる。
そうすると、自然に後ろ脚が力を発揮して地面を押し、重心移動が起きる。その反作用で手が後方に引かれる。これらがオートマチックに起こり、ストライドもオートマチックに生じる。だから、重心移動が始まる前の「軸脚に体重が乗った所」から直接投げれば良い。
※)この投げ方は担ぎ投げになるので、あまり良い投げ方では無く、あくまでも実験です。練習では無いので、練習として繰り返さないでください。またいきなり全力で投げて肩を壊さないようにしてください。この実験は8割程度の力で意味が解れば充分です。
※)意識と実際の動きの違いはカメラに撮影して見せてあげるのが理想的です。この際、何を意識して、その結果、何が起きたかを説明する事が大切です。
※)この実験は2〜3球で充分です。ただし意味が解るまではやってください。
※)身体を動かす意識では無く、手に持ったボールを瞬間移動的に可能な限り速く標的に到達させる事に意識を集中させます。
2)次に、グラブを置き、小さく前に倣えの姿勢を作ります。この状態で投球腕にボールを持ち、そこから前脚を軽く挙げて軸脚に重心を乗せて、そこを始動ポジションとして投げます。
すると最初の実験よりも、投球腕のテークバックが柔軟に起きる事が解ります。ピッチングらしい円を描く動きになるでしょう。これは小さく前ならえの腕の方が腕がリラックスする事と、そこから後ろに動く余地が大きいからです。これで少しピッチングに近づきました。
※)この実験は2〜3球で充分です。ただし意味が解るまではやってください。また、これも練習では無く実験なので、練習として繰り返さないでください。
3)最後にグラブをはめて、小さく前ならえの状態から、両手をくっつけて下さい。そこから(2)の実験と同じように、前脚を挙げて投げます。すると(2)の実験よりさらに柔軟にテークバックが起きるはずです。これは、セットポジションでは右手と左手が支え合うので、両手がバラバラの状態より力を抜く事が出来るからです。そして、この動きはピッチングそのものです。
始動ポジションについての鉄則は2点です。
1)前脚を挙げて軸脚に体重を乗せた所
2)グラブの中にボールが入ったセットポジションである事。
現状(1)の条件は満たされていますが(2)が少し微妙です。
また、重要な点として、グラブの位置をもう少し高くしてください。グラブが肘よりも上に有る事が大切です。
なぜなら、始動すると重心移動が始まり、その反作用で手が後方に引かれますが、この際、ボールを持った手がグラブから落下します。この落下する軌道がテークバックで肘を挙げる軌道と重なるので、この落下運動がテークバック動作をアシストするわけです。したがって、セットの位置が低ければ、落下する距離が短くなり、テークバックの動作が小さくなりやすいのです。そうすると肘も充分に挙りませんし、胸の張りも小さくなります。これは肩肘双方にとって危険な事です。この動画の投手くらいの位置にグラブが有る事が大切です。
また、後ろ脚の膝が突っ張らないようにしてください。この点はほぼ現状で問題が有りませんが、膝が突っ張って後ろ脚の拇指球に荷重が来ると、大腿四頭筋が緊張し、ハムストリングスが使えません。土踏まずの踵寄り、脛骨の真下あたりに荷重します。また、もちろん膝を「曲げる」と大腿四頭筋が緊張します。曲げるのでも突っ張るのでも無く、緩めると言う感覚を掴んでください。外見的には伸びているように見えても、突っ張るのと緩めるのとでは大きく違います。
そして、次に、もう少しワインドアップのステップで投げる事を重視してください。(手の動きはノーワインドです)年齢的には全部、ワインドアップでも良いくらいです。
ワインドアップのステップを取った方が脚が緊張無く挙る事と、ワインドアップからのピッチングはキャッチボールに適応出来るためです。
ワインドアップで打者に正対している状態をボールを捕球した状態と考えて、そこから投手になったつもりでキャッチボールをしてください。近距離でのスローイングや助走を付ける遠投以外でです。平地で投げる場合は相手の胸に投げる感覚がストライクゾーンに投げる感覚になるので、キャッチボールでは本来、二人ともピッチャーが出来るのです。
今回の内容を纏めると、まずは始動ポジションを確認し、始動ポジションから瞬発的に力を発揮する事、特に、グラブの中にボールが入っている状態から一気に投げる事を強調してください。身体を動かす意識では無く、手に持ったボールを瞬間移動的に可能な限り速く標的に到達させる事に意識を集中させます。
そして、セットポジションの位置を修正して、後ろ脚の膝が突っ張らないようにします。ワインドアップのステップで腕はノーワインドで投げる練習をしてください。
もう少し続きます。
今日はコメント頂いたフィニッシュの件と、ワインドアップのステップの基礎と、守備への適応についてです。
まずフィニッシュの件ですが、仰る通り、パンチャータイプの特徴として倒れ込む動きが大きくなります。ただ、この特徴はスインガータイプにも見られますが、特に外国人の特徴です。
軸脚のキック力や前脚股関節伸展の力が上手く使えると、自然にそういうフィニッシュになるため、ラボでは後ろ脚が前脚をクロスして、倒れ込むようなフィニッシュになる事を目指しています。フィニッシュは動作の善し悪しを計るバロメーターになるのですが、後ろ脚が前に出て来る事と、グラブ腕が背中側に引かれずに、胸の前に残る事の二点を重視しています。
サイドハンドタイプの場合、右投げなら身体が3塁側に傾きますので、投げた後の一歩は3塁側に後ろ脚が振り出され、打者に正対して着地する傾向が有ります。一番良く無いのは後ろ脚が前に出てこない事です。これは下半身が使えていない事を意味します。
守備を考えると、この動作はマイナスなのですが、あくまでも投げる事を第一に考える立場から、この動作を良しとしています。この立場を取るピッチングコーチはアメリカにはいるようですし、日本でもそういう教え方をされている方はいるはずです。守備のフォーメーションの問題は戦術でいくらでもカバー出来ますが、投手の動作はもっと複雑ですからね。
次に、ワインドアップのステップの基礎に関する補足なのですが、相手に正対した状態から最初に前脚を後方に引くのですが、この時、右投手ならセンター方向では無く、2塁手の方向に引く事が大切です。センター方向に引くと、そこから脚を挙げる時に大きく身体を捻らなければならないからです。なお、この前脚をセカンドの方に引く際、後ろ脚もプレートに対して斜めにセットし、次に平行にセットするとスムーズに行くと思います。(一気に90度 後ろ足の爪先の向きを回すより。)
最後に守備への転用です。
守備のスローイングの場合、始動ポジションで後ろ脚に体重を乗せると言う条件は満たせますが、セットポジションはほとんどケースで無理です。もちろん、より重要な条件は後ろ脚に体重が乗っている事なので、守備の場合、ステップの中で後ろ脚に体重が乗っている事が始動ポジションの条件となります。ステップの中で投げる前に後ろ脚に体重が乗った所が始動ポジションです。
ただ、もちろん、始動ポジションでステップの流れが止まってはいけませんから、意識し過ぎるのもどうかと思います。基礎練習の中で、様々なステップワークの中で、どこに始動ポジションが来るのかと言う事を一度、把握すれば充分でしょう。
もう一つ、特に内野手の場合、至近距離からのスローイングと言う問題と、後ろ脚に体重を乗せる事すら出来ない状況からのスローイング等が起こりえます。
これは、投手のバント処理や、ランダウンプレーで起きる動きです。この場合、手をあらかじめトップの位置にセットし(ボールを相手に向ける)押し出すようなイメージで投げます。スインガーの場合、このようなトップの位置を作って投げるケースでも身体を捻って腕をムチのようなイメージで振ろうとする場合(テークバックで手を掌屈させてボールを下に向ける)が多いですが、パンチャーはそういう投げ方では有りません。この投げ方も、少しはやっておかないと、いきなりやるとスッポ抜ける場合が有るので注意が必要です。
つまり、野手のスローイングと言うのは、理想的なスローイングにはなり得ないのです。ですから野手のスローイングの形の枠内でどのように投げるのが理想的かを考えるのでは無く(善し悪しは有りますが)野手の投げ方をした後に、投手の投げ方でキャッチボールをして、修正しておく事が大切です。野手は投手らしい投手の投げ方が出来ない人がむしろ大多数なのですが、投手に比べて遜色の無いフォームである事を目指してください。
補足1
セットポジションの際、あまり足幅が広いと、前脚を挙げる際に後ろへの体重移動が大きくなり、その反動で前への体重移動が起きるため、安定した始動ポジションが作れません。
ただ、狭すぎるのも問題が有ります。人間の身体構造上、骨盤の幅から肩幅の間くらいになるのが自然なはずです。その意味では多少後ろへの体重移動が生じるのは防ぎようが無いのですが、広く足幅を取り過ぎると、前述の問題点が生じると言う事です。
補足2
肩回りの柔軟性は大切です。これには、良い動作、特にセット始動で投げる事が最良の動的ストレッチとなります。筋肉が硬くなるのでゴムチューブを使ったトレーニングはやらないようにしてください。
今回は、スローイングに関する最も基礎的で最低限、必要な事を述べておきました。
以上です。今回はどうも有り難うございました。

